白内障の検査・手術機器の説明

白内障検査機器

白内障手術で『術後の見え方』を最適化するためには正確な検査を実施し、患者様の日常生活にあった眼内レンズを選択し、度数を決定することが重要です。そのために、視力検査、眼圧検査、屈折検査、眼底検査、細隙灯顕微鏡検査、角膜内皮細胞検査、光干渉断層計(OCT検査)以外に当院では下記検査機器を導入して術前検査の正確性に取り組んでおります。

CASIA2(前眼部OCT)

CASIA2CASIA2(前眼部OCT)では、角膜疾患の検査、緑内障の診断、角膜形状解析に用いる検査です。眼内レンズを選択する上で、角膜形状解析は『不正乱視』『角膜後面の乱視』を検出するために重要な検査です。

乱視には、角膜前面と後面の乱視があります。角膜前面の乱視には『正乱視』と『不正乱視』があり、『正乱視』の場合は、眼内レンズによる乱視矯正効果が期待できます。『不正乱視』がある場合は、乱視矯正効果が十分に発揮できません。

通常の検査機器では角膜前面の乱視しか測定できませんが、CASIA2では角膜後面の乱視も測定できるので、適した眼内レンズを選択することで、より精度が高い乱視矯正効果を期待できます。

CASIA2の解析結果

両眼の前眼部の画像と測定値がトータルで解析できます

CASIA2検査画面

ARGOS(眼軸長測定・手術ガイダンス)

ARGOSARGOSには、眼軸長検査と術中ガイドシステム機能が備わっております。
眼軸長検査では、他の検査機器では難しい水晶体の混濁が強い場合でも、正確に眼軸長を測定できることが特徴です。

術中ガイドシステムは、これまでVERIONがありましたが、ARGOSではVERIONのシステムにさらに眼軸長を含む生体計測データを自動で手術計画に取り込めるようになりました。

ARGOS説明

これにより『眼内レンズの選択』、『軸:眼内レンズを挿入する角度』を効率的に決定することができ、術後の乱視予測・乱視眼内レンズの適応の判断まで可能になりました。作成された手術計画データは、手術顕微鏡やORAシステム、センチュリオンに送信され、角膜切開位置、眼内レンズの軸・固定位置などをナビゲーションしてくれるので手術のクオリティを向上させることができます。

白内障手術機器

白内障手術は日本で年間150万件以上実施されている手術です。
ただ、手術を実施する体制によって【術後の見え方の質】には差が出てしまいます。執刀する医師の経験値に依存するだけでなく、最先端の手術機器を連携させることで、より精度の高い手術を提供することができます。

LuxOR Revalia 手術顕微鏡

手術顕微鏡_LuxOR RevaliaLuxOR Revalia 手術顕微鏡は、アルコン社で製造されている手術顕微鏡で、明るく・高コントラスト・高解像度の術野を提供してくれます。ARGOSで作成された手術計画データが連携でき、角膜切開位置、眼内レンズ固定位置、などが手術中に投影され、執刀医の手術をサポートします。

LuxOR Revaliaの特徴

  • 従来の収束光型顕微鏡と比較して、6倍広い範囲で優れた徹照光と深い焦点深度が得られ、白内障手術時に水晶体の状態を正確に把握できます。
  • ARGOSとの連携により、手術時間が短縮され、患者様の手術の負担を最小限に軽減できます。

ORAシステム(イメージガイドシステム)

ORAシステムは、ARGOSで作成した患者様ごとの手術計画データをもとに、白内障手術中にリアルタイムに眼の状態を測定し、無水晶体眼の屈折値、仰臥位における眼球回旋を考慮し、眼内レンズ挿入前に想定される術後の屈折を確認することができます。

検査から手術完了まで屈折誤差を生じる可能性がある工程をARGOSとORAシステムを使用することで思わぬエラーの発生を防ぐことができます。

ORA説明1

ORA説明2

術前の手術計画データと術中のリアルタイムの屈折結果を同時に確認することで、より最適な眼内レンズ固定位置を決定することができ、選択した眼内レンズの性能を最大限引き出すことができます。特に多焦点眼内レンズや乱視用眼内レンズの際には手術精度を向上させることが可能です。

センチュリオンビジョンシステム(手術装置)

センチュリオンビジョンシステムセンチュリオンは、アルコン社製の最先端白内障手術装置です。従来の手術装置よりも角膜の切開創を小さくすることができ、手術による角膜切開創の影響を最小現にできます。手術の切開創は小さいですが、超音波破砕能力も向上しており手術時間の短縮よって患者様の負担の軽減にもつながっています。また、灌流圧のモニタリング機能によってより安全に手術を実施することができるようになっています。