目の充血・目が赤い原因
目が赤く見える原因は2つあり、目の充血と目の出血に分けられます。充血は目の表面の血管が膨らむことで起こる現象です。一方、目の出血は、目の表面の血管が破れて血液が出ることによって目が赤く見える状態です。目が充血・出血する原因としては、ドライアイや眼精疲労、感染性結膜炎、アレルギー性結膜炎、ぶどう膜炎、急性閉塞隅角緑内障、結膜下出血などが挙げられます。
※片目のみ赤くなるケースもあります。
結膜充血が起きる疾患
感染性結膜炎
細菌またはウイルスに感染することで、結膜(白目部分)が炎症を起こしてしまう疾患です。発症すると、目の充血や目やに・涙が出る、目のゴロゴロ感が現れます。またプール熱の場合は、発熱や喉の痛みも一緒に起こります。
アレルギー性結膜炎
目にアレルゲン(花粉やダニ、カビなどなど)がくっつくことにより、結膜が炎症を起こしてしまう疾患です。この場合、結膜の炎症がアレルギー反応として起こっています。花粉によるものを季節性アレルギー性結膜炎、ダニやカビなどのハウスダストによるものを通年性アレルギー性結膜炎と言います。結膜は外界の空気と直接触れる部分ですので、アレルゲンなどの刺激の影響を受けやすいのです。そのため炎症によって、かゆみなどが引き起こされます。
眼精疲労
走り続けると身体が疲れるように、目もパソコンやスマートフォンなどを長時間見続けると、負担が増えて疲れや目のかすみを感じやすくなります。この状態が眼精疲労です。目の周りにある筋肉が緊張し続けると、目の調整機能が一時的に衰えます。また眼精疲労は、目の症状だけでなく、頭痛や肩こりのトリガーにもなります。
また、普段から眼精疲労に悩まれている方は、「いつものことだから」と軽視して市販の点眼薬などを使ってしまう傾向が強いです。そういった方が目の疾患によって眼精疲労になると、症状が長引きやすくなってしまいます。
ドライアイ
涙の量または質が変化することによって、眼球の表面に障害が生じる疾患です。症状が軽度のうちは、疾患の進行になかなか気づかないので、「大丈夫かな」と自己判断するのは禁物です。主に、目のかゆみや視界のかすみ、疲れ、ゴロゴロ感、目の充血、涙が勝手に出るなどの症状がみられます。発症した原因に合った治療が重要になりますので、お悩みの方はぜひ眼科へ受診しましょう。
毛様充血が起きる疾患
ぶどう膜炎
眼球の内部に存在する脈絡膜(みゃくらくまく)と毛様体、虹彩の3つを総称したものを「ぶどう膜」といいます。ぶどう膜炎とは、ウイルスや細菌などの感染や免疫異常によって起こる疾患です。早期受診と治療が重要になります。発症すると、目のかすみ、眩しく感じるといった症状が起こります。
急性閉塞隅角緑内障
急性閉塞隅角緑内障 (きゅうせいへいそくぐうかくりょくないしょう)とは、何らかの理由によって急に隅角が塞がり、眼球の中に房水が溜まることで、眼圧が一気に高くなってしまう疾患です。重篤な場合は速やかに手術を受けなくてはなりません。主な症状は、目の痛みや充血、頭痛、吐き気などですが、これらの症状はくも膜下出血と似ているため、誤診されるケースも少なくありません。
血管からの出血で目が赤く見える疾患
結膜下出血
結膜下の血管から出血した結果、白目の部分が真っ赤になってしまう状態です。過度な飲酒やくしゃみ、喘息、水中メガネの締め過ぎなどによって発症します。、目がゴロゴロする感覚が起こることもありますが、痛みはほとんど伴いません。結膜下で出血しても眼球の中に血液が侵入することはありませんので、視力が下がる心配もありません。出血は1~2週間経過した後に自然と吸収されるため、経過観察していきます。
角膜炎
角膜(黒目の部分)が何らかの原因によって、炎症を起こしてしまう状態です。ウイルス・細菌の感染、コンタクトレンズの装用、目を強く擦ることによって生じた傷などによって起こります。また、ドライアイによって角膜に微生物がくっついたり繁殖したりした時にも、起こり得ます。
目の違和感をはじめ、勝手に涙が出る、目の痛み、充血、目やになどの症状がみられます。
治療
点眼薬を用いた治療で改善されるケースがほとんどです。しかし、重篤化すると失明に至る危険性もあるため、放置は禁物です。
強膜炎(きょうまくえん)
強膜とは、眼球の大部分を占めている組織で、一般的には「白目」と呼ばれています。ここに炎症が起こる疾患が「強膜炎」です。
自己免疫性疾患や痛風、梅毒、結核、サルコイドーシスなどの全身疾患によって起こるとされていますが、そのほとんどは原因不明と言われています。
症状
強い目の充血、目の痛み(眼球そのものが痛む、目を動かすと痛むなど)。炎症が眼球の奥まで進むと、視力低下を招きます。目やには伴いません。
強膜が溶ける疾患(壊死性強膜炎など)にかかると、溶けた部分の強膜が薄くなり、眼球内に存在する「ぶどう膜(濃い茶色の部分)」が透けて見えるようになります。そのため、白目に黒い部分が浮き出たように見えます。
治療
ステロイドの点眼薬や内服薬を用います。原因となる疾患が分かった場合は、その疾患の治療も一緒に受けていただきます。
目の充血、目が赤い時は当院へご相談ください
目の充血は大きく分けると、結膜充血と毛様充血があります。目の表面にある血管から出血すると、目は赤くなります。ただし、医療従事者でない方がそれを判断するのは、とても難しいことです。また、急性閉塞隅角緑内障などのような、重篤な疾患のサインとして生じるリスクもあります。原因を見極めるためにもまずは眼科へ受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。